自分史を印刷する前に、写真や手紙を「どの時期の、何を伝える資料か」が分かる状態にしておきましょう。素材を先に一覧化すれば、重複写真や説明のない画像、ページからはみ出す文字を最終確認で見つけやすくなります。この記事は、本文がほぼ完成していて、これから本の形に整える方のための入稿準備ガイドです。
手順1:年代順かテーマ別かを決める
素材を並べ始める前に、本の大まかな流れを一枚の紙に書きます。初めての自分史なら年代順が整理しやすい方法です。仕事、家族、趣味、住んだ場所など、テーマごとにまとめる方法もあります。
- 章の仮タイトルを5〜10個ほど書き出す。
- 各章に「伝えたい出来事」を一文で添える。
- 写真・手紙・賞状などを、どの章に入れるか仮置きする。
- どの章にも入らない素材は、巻末資料にするか使わないかを決める。
年や場所がはっきりしない写真は、無理に断定せず「頃」「場所不明」など確認できる範囲で記録します。家族に聞いてから確定したい項目には印を付け、記憶だけで後から誤った説明を付けないようにします。
手順2:写真・資料の一覧表を作る
写真フォルダーを開いたままレイアウトを始めると、選んだ画像や説明を見失いやすくなります。表計算ソフトやノートに、次の列を作って一つずつ登録してください。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 管理番号 | P001、P002、L001(写真・手紙を区別) |
| ファイル名 | p001_運動会_1978.jpg |
| 時期・場所 | 1978年ごろ/大阪、未確認なら「要確認」 |
| 写っている人・内容 | 運動会の集合写真、人物名は本人に確認 |
| 使いたい章 | 第2章「学校時代」 |
| 説明文 | 誰が、いつ、どこで、何をしているか |
| 掲載確認 | 本人・撮影者・権利者への確認状況 |
| 状態 | 採用/候補/使わない/説明を確認中 |
管理番号を画像ファイル名にも付けると、本文中の「ここにP014を配置」という指示と実ファイルを照合できます。採用・候補・不採用のフォルダーを分け、最終版では候補画像を混ぜないようにします。
手順3:画像は元データを保管し、印刷用に劣化させない
- スマートフォンのスクリーンショットやSNSから再保存した小さな画像ではなく、カメラやスキャナーの元ファイルを探します。
- 紙の写真をスキャンする場合は、機器で選べる高品質設定を使い、保存時に強い圧縮をかけないようにします。
- 色や明るさを直す前に、元データを別の場所へ複製して残します。加工済み画像だけを唯一の版にしないでください。
- ファイルを拡大してぼやけた部分が急に鮮明になるわけではありません。小さい画像は大きく引き伸ばさず、重要な場面なら別の原版を探すか、掲載サイズを小さくします。
- 顔や文字の向き、写真の上下、切れてはいけない部分を一覧表と照合します。
画像の必要解像度やカラー形式は印刷会社や最終サイズによって変わります。自己判断で一律の数値にそろえるより、入稿先の指示を確認し、問題があれば画像番号を添えて相談してください。
手順4:キャプションと掲載確認を済ませる
各写真の説明は「昔の家族写真」のような曖昧な言葉だけで終わらせず、分かる範囲で人物・時期・場所・出来事を記します。名前や出来事に誤りがないか、写っている人や家族に確認するのもよい方法です。個人情報を載せたくない人がいる場合は、名前を省く、顔が分からない写真に替える、掲載自体を見送るなど選択肢を相談しましょう。
また、写真を持っていることと、その写真の著作権を持っていることは同じとは限りません。撮影者が自分以外の場合、掲載前に権利者や利用条件を確認してください。文化庁の案内も、実際の利用では著作権だけでなく肖像権などを確認する場合があると説明しています。判断が難しい素材は、許可を確認できるまで掲載候補に留めます。文化庁:他人の著作物を利用したい場合など(個別の法律相談ではありません)。
手順5:写真を置いてから文字を整える
- まず各章で必ず伝えたい写真を一枚選び、余白を残して仮配置します。
- 写真の前後に、場面が分かる本文と短いキャプションを置きます。
- 見開きの中央(綴じ目)に顔、手書きの大切な部分、写真の主役が来ないようにします。
- 同じ場面の似た写真を連続させず、章の節目に写真ページや短い年表を使います。
- 文字が小さくなりすぎていないか、ページ端や写真の上に文字が重なっていないかを確認します。
写真を全面に大きく使うページでは、印刷会社が指定する裁ち落とし(塗り足し)の設定が必要な場合があります。必要な幅や表紙テンプレートは入稿先に確認し、自己流でトンボや塗り足しを追加しないでください。表紙の背幅もページ数や用紙によって変わるため、最終仕様が決まる前に固定しないようにします。
手順6:最終PDFをページごとに確認する
PDFを書き出したら、編集ソフト内で見た目を確認して終わりにせず、PDFそのものを開いて全ページを点検します。
- 表紙、本文、奥付など必要なページがそろい、順序が正しい。
- 写真が意図した位置にあり、回転・トリミング・色の違和感がない。
- キャプションと本文の人物名・年代・地名が一致している。
- ページ番号、章タイトル、余白、見開きの中央を確認した。
- フォントの置き換わり、文字化け、行のはみ出しがない。
- 最終版のファイル名に版番号を付け、確認済みのファイルだけを送る。
最後に、写真一覧の「採用」項目とPDFを一枚ずつ照らし合わせます。これで、説明文だけ直して写真を差し替え忘れる、または写真を更新してキャプションが古いまま残る、といったミスを減らせます。
自分史の原稿ができたら
本文が完成していても、印刷用の設定が分からないことはあります。YourBookBoundではPDFのほか、DOC、DOCX、RTF形式の本文ファイルについて、支払い前の無料の人手による確認を受け付けています。サイトで現在案内している内容は、US$99でハードカバー本1冊、本文レイアウト・表紙サポート、デジタル校正と修正、印刷、標準追跡付き配送です。標準追跡付きの世界配送が含まれています。輸入税等、受取国の公的機関が課す料金については、現行価格ページの条件をご確認ください。サイトとサポートの案内は英語です。
原稿を無料チェックに送る前に、掲載したい画像を本文PDFに配置するか、番号付きで整理してください。対応ファイルと準備方法も確認できます。
参考資料
- 文化庁「他人の著作物を利用したい場合など」 — 著作物の利用確認と、著作権以外の権利にも注意が必要な場合があること。
- 冊子印刷のお悩み解決ブログ「自分史をつくろう:掲載したい資料はデータ形式にしよう」 — 自分史に載せたい資料をデータ化して整理する実務例。
- Lowcost Print「はじめての自分史」 — 自分史の企画・資料準備・印刷サービスを扱う検索上位ページ。
写真の使用条件は作品や状況によって異なります。権利関係に迷う場合は、許諾の確認先や専門窓口に相談してから掲載してください。